安岡定子先生をお迎えして行田市民大学15周年記念公開講演会開催
[行田市民大学15周年記念公開講演会] が2024年5月16日(木)に教育文化センターみらいホール で開催されました。
演題は「今なぜ論語なのか」
講師は 公益財団法人郷学研究所・安岡定子先生
主催 行田市民大学
協賛 公益財団法人忍郷友会
後援 行田市教育委員会・行田市民大学同窓会
今村武蔵行田市民大学理事長の挨拶。
最近の世の中はものはあふれ快適になっているが、心が貧しくなっていないか。自由と権利を主張して自己中心的な人が増えている気がする。家族愛・先祖を敬う・親や孫の世代のために何をしたらよいか考えることが欠けている。人生の生き方を学びなおす機会として安岡定子先生をお招きしたとあいさつし、安岡定子先生の紹介をしました。
「論語」というと難しそうなイメージですが、どうして2500年前の孔子の教えが、今も残っているかというお話から講義が始まりました。
演題「今なぜ論語なのか」
講師 公益財団法人郷学研究所・安岡定子先生
「ところで2500年前は何時代ですか?」と安岡先生。祖父である漢学者安岡正篤氏から「何か質問されたら、どうやったら答えが導き出せるかがわかることが大事。」と教えていただいたそうです。「答えは言わないのが祖父の教え」を今でも子ども論語塾や大人のクラスの論語塾で実践しているとのことでした。「聞くことが大切 素読は聞く力をつける」私は漢学のナビゲーターですとおっしゃる安岡定子先生。
会場の皆さんとの「素読」が始まりました。
会場のみなさんと先生との論語の素読です。現代の寺子屋のような雰囲気。
について、学んだことはいつも復習しようという意味です。学ぶ喜びは自分のこと。どんなちいさなことでもわかってものになったことがうれしいのです。
「友あり」の友は仲間です。同級生でもサッカーチームの仲間でもいいのです。
孔子の時代の勉学の学び方や士官の方法とからめてお話してくださいました。
「ふるき」は経験者・取り組んでいる人・その資料です。自分ができなかったり、やってもうまくいかなかったりしたとき、経験者から考え方ややり方を学び良いところをチョイスする工夫をすることです。
できないとき助けを求めるのは大事です。
「慮(おもんぱか)り」とは「見通し」をもつことです。これからやらなければいけないことには綿密に計画を立てる。論語の章句は活かす場面や内容が違います。答えは一つではありません。
良いものを磨くにはよい習慣と人と出会うことです。自分の幅を広げないと出会う人は少ないです。知識と教養=人間性・品格(知識を使いこなすもの)が大切です。自分を磨くと人と出会います。
「文を以って友を介し」とは一つのことをみんなでやることです。
「友を以って仁を輔く」とは一人でひたすら頑張ることも必要だが、仲間と一緒にまなぶことであなたの人間力が高まるということです。この章句はいつも最後に入れている章句です。
と講義を締めくくられました。
受講生の様子を見ると、一人一人が立場や年齢差を超えて、自分の心の中で思い当たる場面を探しているかのようでした。私は「自分の幅を広げるために、優れた言葉に出会うこと」「言葉も同じレベルの人と付き合っていく」「自分を磨く人と出会う」という言葉が深く心に残りました。
この後は質疑応答をし、行田市民大学原口廣之副理事長からお礼の挨拶がありました。
みなさまの万雷の拍手のもと行田市民大学15周年記念公開講演会は閉会しました。
講師の安岡定子先生、参加してくださった皆様、協賛の公益財団法人忍郷友会の皆様、後援の行田市教育委員会・行田市民大学同窓会の皆様、ありがとうございました。
記:行田市民大学広報部