1・2年合同講座 高齢者講習と認知機能検査の変更点
2022年(令和4年)5月26日の行田市民大学講座は1・2年合同講座でした。
講座名は「高齢者講習と認知機能検査の変更点」。羽生モータースクールの代表取締役五十幡和彦氏に講義していただきました。
おりしも2022年5月13日に道路交通法が改正され、運転免許制度が変わったばかり。高齢者の交通安全に対する新しい知識とどうしたら交通事故を防げるか、行田市民大学の生徒の皆さんも興味と関心を深く持ってお話を聞きました。
1改正高齢者講習の概要
【70歳から74歳】
みどり色の「高齢者講習のはがき」が届く。
講習の受講場所や時間が指定されている。都合が悪い場合は変更の電話をする。必ずしも、近くの教習所ではない。座学や視力検査・簡単な身体能力検査、運転指導などがある。所要時間は2時間。
【75歳以上】
黄色いハガキが届く。県の施設で認知機能検査を受ける。場所の案内がある。
免許更新しない場合は電話をする。更新する場合は認知機能検査が必要になる。
【認知機能検査の内容】
- 手がかり再生
16種類の絵を記憶し、何がかかれていたかを回答する。
- 時間の見当識
検査時の年月日、曜日及び時間を回答する。
2022年(または令和4年)5月26日午後2時のように答える。
「手がかり再生」はヒントなしの回答とヒントありの回答を書く。
【75歳以上の運転技能検査】
今年(2022年)8月以降に実施する。
75歳以上で「一定の違反歴」があると運転技能検査が課せられ、技能試験に合格しないと免許更新ができなくなる。誕生日の5か月前に通知が来る。
検査対象となるのは、過去3年間に一定の違反がある75歳以上のドライバー。
[運転技能検査の対象となる11の違反歴]
1 信号無視
2 通行区分違反
3 通行帯違反等(逆走・Uターン・黄色ラインをオーバーなど)
4 速度超過
5 横断等禁止違反
6 踏切不停止等・遮断踏切立入り
7 交差点右左折方法違反等(合図を出さずに曲がる)
8 交差点安全進行義務違反等(右折禁止を曲がる)
9 横断歩行者等妨害等(横断歩道を渡る人を優先しない)
10 安全運転義務違反
11 携帯電話使用等
認知機能検査より運転技能検査の方が難しいと予想される。
【75歳以上の臨時認知機能検査】
運転免許を持っている75歳以上の人が次の違反行為を行うと、臨時認知機能検査を受ける。
【18種類の違反行為】
1 信号無視
2 通行禁止違反
3 通行区分違反
4 横断等禁止違反
5 進路変更禁止違反
6 遮断踏切立入り等
7 交差点右左折方法違反
8 指定通行区分違反
9 環状交差点左折等方法違反
10 優先道路通行車妨害等
11 交差点優先車妨害
12 環状交差点通行車妨害等
13 横断歩道等における横断歩行者等妨害
14 横断歩道のない交差点における横断歩行者妨害
15 徐行場所違反
16 指定場所一時不停止等
17 合図不履行
18 安全運転義務違反
運転機能検査は、今年8月以降実施。
誕生日5カ月前に通知。
認知機能検査より、運転技能検査の方が心配。
どうしたらよいか。
該当しないよう交通ルールを守る!
高齢運転者による死亡事故
①全国では人口比29.1%の65歳以上の方が、57.7%の交通死亡事故にあっている。
②埼玉県では人口比26.4%の65歳以上の方が、50.4%の交通死亡事故にあっている。
③全国の高齢者の交通手段別死亡事故の割合では、歩行中が47.5%、自転車乗車中が16.4%、二輪車乗車中が6.4%、乗用車乗車中は29.1%しかない。
④埼玉県の高齢者の交通手段別死亡事故の割合では、歩行中が55.7%、自転車乗車中が23.0%、二輪車乗車中が4.9%、乗用車乗車中は16.4%しかない。
65歳以上の死亡事故は約50%。高齢者にかかわる事故が多い。これには、高齢者で亡くなっている人も含んでいる。大半が被害者である。
世界の事故件数と比べてみると、日本自体の事故件数は少ないが、高齢者の事故は多い。
死者の半分以上が高齢者である。高齢者は死亡事故につながる。
高齢運転者による事故の傾向
① 死亡事故件数が多い。
② 出会い頭事故の割合が多い。
・高齢になると複数の同時情報処理や同時操作に対応出来にくくなる。
③ 安全不確認、一時不停止、信号無視の割合が多い。
④ 高速道路の逆走行為の多くは、65歳以上の高齢者が起こしている。
⑤ 自転車事故の多くは、自宅から半径1キロ以内で起こしている。
身体機能の低下から起こる高齢運転者の事故原因
(1)視覚機能の低下
① 静止視力と動体視力
② 視野
③ 夜間視力
④ 明度の差
⑤ 順応と眩惑
(2)動作の速さや正確さの低下
① 反応時間と正確さの低下
② 注意が一転に集中しやすくなる
(3)加齢に伴う病気と運転への影響
(4)体力やバランス感覚の低下
(5)聴覚機能の低下
認知機能の低下から起こる高齢運転者の事故原因
(1)認知症とは
① 認知機能
② 年齢による物忘れと、認知症との違いの目安
(2)認知症が及ぼす運転への影響
・運転中に行先を忘れる
・注意散漫になる
・交通ルールを無視する
・D(ドライブレンジ)とR(リバースレンジ)を入れ間違う
・高速道路の逆走などをひきおこす
認知機能低下を防ぐために
① 体を動かす
② 料理をする
③ 買い物をする
④ いろんな食品をバランスよく食べる
⑤ 行田市民大学講座に出席する
・外出する、外に出ることによって前頭葉が活性化する。筋肉が落ちることも防げる。
交通事故を起こさないために
① 夜間の運転を控える
② 雨の日の運転を控える
③ 運転支援機能サポートカーに買い替える
④ 一人で運転しない。助手席に同乗者を乗せる
⑤ 高齢者運転標識(高齢者マーク)の表示
⑥ 過去の景観を過信しない
⑦ ゆとりのある運転計画を立てる
⑧ 病気でないかと感じたら専門医に診てもらう
高血圧や動脈硬化に伴って生じる小さな脳梗塞が、怒りっぽくなることの原因ともいわれる
⑨ 継続的に運動をして体力の向上を図る
サポートカー限定免許で運転することができる車両
① 衝突被害軽減ブレーキ(対車両、対歩行者)
② ペダル踏み間違い時加速抑制装置
サポートカー限定免許は警察が指導するものではなく、自主的にとるものである。
両親のためとか自分でとりたいと言えばサポートカー限定免許をとれる。
この免許取得は国を挙げて推進している。
令和元年「衝突被害軽減ブレーキ・ペダル踏み間違い時加速抑制装置」の取り付けに対して、政府から補助金がでるようになった。
まとめ
みなさんに事故を起こしてほしくない。十分気を付けてほしい。サポカー150万で新しく変えてもいいのではないか。
運転の仕方で事故を起こさなくなる。事故を起こさない運転を心掛けてほしい。
市民大学の皆さん方は、はつらつとした笑顔で取り組んでいる。行田の宝だ。ますますの活躍と末永い安全をお祈りする。
五十幡社長の高齢者の交通安全を願う熱い気持ちが、講義に込められていました。
車を運転するときに知らず知らずのうちに行っている行動、横断歩道のない交差点における横断歩行者妨害などの行為は、全て違反行為であると改めて教えていただきました。「交通事故をおこさないために」という九つの内容をしっかりと頭に入れて、安全運転をしていきたいと感じました。