15周年特別講座「松平家の歴史」<1・2年、同窓会合同>
2025年1月16日(木)、アリーナ研修室にて15周年特別講座が開催されました。
特別講座題目は
「武蔵國忍藩 松平家の歴史と忍郷友会」
講師は
旧忍藩十六代当主、忍郷友会 松平 忠昌 会長
120人を超える参加者が集まり、アリーナ研修室は立ち見席(テーブルなしの椅子だけ)が20以上出るほどに人気の講座となりました。
14期2年の長島さんのMCで市民大学基本理念の唱和、そして、今村 武蔵理事長から講師の紹介があり、定刻で講座の開始となりました。
講座のレジュメは以下の通りです。立派なフルカラーの資料が全員に配布されました。
以下、講座の概要を報告しますが、資料の一部を利用させていただきます。
- 武蔵国忍藩松平家の歴史
(1) 松平家について (2) 松平家のトピックス
- 江戸時代の生活について
- 江戸時代の教育について
- 藩校について
- 全国藩校サミットについて
- 忍郷友会について
- 今求められるものは
(1) 古典、歴史に学ぶ (2) アナログ VS デジタル (3) 違いが判る – 出逢いと思い遣り
(4) リーダーシップ – エリート教育 (5) 日本人の誇り
- 皆様へ「四つのキーワード」
- 松平家の歴史
はじめに講師の自己紹介を兼ねて家系図の紹介や松平家家祖松平忠明とその父母(奥平八郎信昌(奥平家第15代)と 亀姫(徳川家康の長女)の第四子)のこと、長篠の合戦・設楽が原の決戦から大坂冬の陣・夏の陣と大河ドラマを思わせるお話がありました。また、忠明が大坂城主と姫路城主であったとか、道頓堀を完成させたなどの松平家のトッピクスが紹介されました。
2.江戸時代の生活の前に「三方領地替え」と「江戸湾の防衛」のお話がありました。
三方領地替えは江戸時代を通じて「12回」発令されていて、各藩各領主の事情やご苦労が語られました。
桑名藩松平忠堯は、幕府の命ということで拝命したが、白河との領知替えでは減益が大きい ということで、穀倉地の武蔵国忍が選ばれたと考えられるとのことです。
また、江戸幕府は、米国ペリーの来航に備え、砲台の建設を行い、忍藩は 品川警備として「第三台場」の警備も任ぜられている。「第三台場跡」(現在の「台場公園」)
「江戸時代の生活について」
江戸時代200年の間に人口が1000万人から3000万人と3倍に増えたことから、江戸時代のすばらしさについて、鎖国と島国であったことが幸いしたとし、以下のような解説をいただきました。
- 江戸しぐさ:思いやりの表現
- 互助・矯正の智恵と信頼関係
- 足るを知るという考え方:(貧乏人は居るが貧困ではない)、分相応の生活で 贅沢はしていなかった。
- 外国人の観た日本人の生活: 明るい顔、礼儀正しい態度
- 暗い江戸時代 :教育が作った誤ったイメージ、正しい歴史を 伝えたいものである。
3.4.「江戸時代の教育について」「藩校について」
①藩校 ② 寺子屋 ③私立学校
- 藩校は、諸藩の藩士やその子弟のために設立された学校。武家社会に於ける「英才教育」で、江戸 時代のリーダー育成を目的にしていたことが伺える。忍藩:進脩館
- 寺子屋は、町民・農民など庶民の教育施設
- 私立学校藩校や寺子屋の中間的な存在で、全国で1,500ヵ所もあったとされている。
有名なところでは、「中江藤樹」や「荻生徂徠」といった 儒学者が経営したもの、「緒方洪庵の適塾」や「吉田松陰の松下村塾」
5.「忍藩 進脩館」と全国藩校サミットについて
進脩館の命名は、桑名時代の藩儒平井澹所であり、 由来は「易経」の「乾の卦の文言」にある 「君子進徳脩業、欲及時也」から「進」と「脩」を 取っている。 「進脩館」の名前は、現在「行田市立進脩館高校」として 地元の学校名に残されており、全国でも藩校名が残って いる数少ない例と云える。
平成14年に16藩の出席を 得て、開催されたのが「第1回全国藩校サミット」、行田市に於いて「第12回全国 藩校サミット行田大会」が開催され、忍郷友会が実行
ここで休憩
6.忍郷友会について
忍郷友会の創設:松平忠壽 が日露戦争から凱旋したことを 機会に地元行田市在の青年団、等が集まり、弊会を 創設
現在会員数:240名超
主な事業活動:
進脩塾事業(忍藩こども素読教室、市民公開講座、 親子素読教室、素読の出前教育)
「浮城のまち行田少年の主張大会」の後援
読書推進支援事業 読み聞かせ活動
歴史塾事業:(行田市に所縁のある歴史上の人物について)公開講演会
全国藩校サミット大会への参加等について紹介があった。
7.今求められるものは
(1) 古典、歴史に学ぶ
(2) アナログ VS デジタル:はずかしくなく生きる
(3) 違いが判る 出逢いと思い遣り
(4) リーダーシップ エリート教育:(リーダーをマネ)
(5) 日本人の誇り – 誤った戦争観からの脱却、日本人は負けていない。
以上、非常に見識の高い示唆に富んだ講座でした。充実した新年の講座を受講し、講師に盛大な拍手で終了しました。