14期1学年第5回講座 古墳(埼玉県立さきたま史跡の博物館)
2023年6月29日、9時半にさきたま古墳公園レストハウス(瓦塚古墳西側)に集合。
熊谷行田方面は猛烈な暑さになったため、古墳見学を割愛し、埼玉県立さきたま史跡の博物館内で学芸員さんの説明を聞き、その後、館内見学をしました。
レストハウスを吹き抜けるさわやかな風のなか、出席確認と8月のパソコン研修会の申込書を提出した1年生の皆さんは、運営部の持つ市民大学の旗を先頭に、埼玉県立さきたま史跡の博物館へ移動しました。
まず、国宝展示室の入り口で、当館の学芸員の君島勝秀さんから、埼玉古墳群と国宝稲荷山鉄剣についてお話を伺いました。
さきたま古墳群
さきたま古墳は、大宮台地の北端に5世紀後半から7世紀中頃にかけて連続して築かれた古墳群である。
日本最大級の円墳と前方後円墳8基がある。
古墳時代当時の王権との関わり、地域支配の在り方を研究する上で欠くことのできない重要な遺跡である。
さきたま古墳群は前方後円墳の形態に強い規格性を持つ。
- 主軸が南北方向で同じ方向を向く
- 長方形の二重の堀を持つ
- 「造出し」が西側に向いている
同じ規格になっていることから高い規格性を持って150年の間に築造された。
5世紀後半 稲荷山古墳
6世紀前半 二子山古墳、丸墓山古墳、瓦塚古墳
6世紀中頃 奥の山古墳
6世紀後半 将軍山古墳、鉄砲山古墳、愛宕山古墳
7世紀初め 中の山古墳
さきたま古墳群は全てを見ると小さな円墳を含め11基。
稲荷山古墳
昭和43年(1968)発掘調査を実施。鉄製品、勾玉一つなどが出土。
金錯銘鉄剣
稲荷山古墳発掘後10年経ち、鉄剣(両側に刃がある)のこれ以上の錆を防ぐ処理中に表に78文字、裏に77文字が浮かび出る。
- いつか 辛亥の年(471)7月
- 書いた人 ヲワケ(乎獲居)
- ヲワケの家系図 8代にわたる ヲワケの役職は杖刀人の首(ワカタケル大王の親衛隊長)
ワカタケル大王:雄略天皇 畿内大和政権と関東の結び付き
471年:当時の社会の政治的様子を解読するのに資する。
令和2年(2020)3月、特別史跡に指定(全国で63か所、埼玉県では1か所)
(説明内容 広報田島記)
特別史跡は史跡のなかの国宝にあたるもので、埼玉県では埼玉古墳群だけです。
君島学芸員の説明を聞き、国宝展示室へ入った生徒の皆さんは、熱心に見学しました。学芸員に質問をする人も多く、「これ本物ですか!すごい!!」「この、金の文字、すごくはっきりしている!」などという感嘆の声がたくさん聞こえました。国宝が郷土に残り郷土の博物館に厳重に保管され、いつでも見られることのすばらしさを強く感じました。
続いて埴輪の館の見学。
埴輪の館
埴輪の館の指導員さんに埴輪の作り方について説明していただきました。
ろくろの上で1キロの粘土をワッカにして積み重ね、へらや貝殻、ひもなどの道具を使って好きな形に成型します。乾燥し、釜で焼いて完成。しばらく時間をおいて、郵送や引き取りで完成した埴輪を手に入れます。2時間ほどの工程なのでみなさんもぜひ作ってみてくださいというお話でした。
よく見かける踊るはにわや縄文土器、馬形埴輪、なかにはぴかちゅーなどのキャラクターも棚に並んでいました。
指導員さんが作成したハート形土偶や挂甲武人像のみごとさに目を奪われました。
埴輪づくりについての質疑応答の後、指導員さんへのお礼の拍手で本日の講座は終了しました。
大変暑い中でしたが、埼玉古墳群や国宝金錯銘鉄剣、そして埴輪づくりと、わがふるさと行田のすばらしさ、楽しさがわかった半日でした。
それでは
暑さのため行けなかった6月29日の埼玉古墳群の古墳たちの写真を最後に掲載します。
撮影は 田島広報部員です。